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Vol.50 イタリアの女神の椅子に願いをこめて

イタリアには何度行っただろうか。


遥か過去からの歴史に積み重ねるように出来ているローマやフィレンツェ。
郊外に点在する城塞都市。

重さと濃さに圧倒されながら、美しい風景を心に刻んだ。

Vol.50  イタリアの女神の椅子に願いをこめて_d0166936_10172531.jpg


天窓が嘘みたいに開いているパンテオン
そこに辿り着くまでも凄いシスティーナ礼拝堂
あきれるほど多様な噴水をもつエステ家の別荘
夜明けに始まり日暮れに終わるアレッツォの蚤の市・・・


想い出を数え上げればきりがない。



日本の美しさは、さっぱりと端正な姿をしている。
でも、イタリアのそれは、重ねた濃さと熟成が奏でる美なような気がする。


そんなイタリアの歴史と美意識を詰め込んだような椅子を手に入れた。


Vol.50  イタリアの女神の椅子に願いをこめて_d0166936_18284728.jpg




背にはローマ神話に登場するフィデス神が描かれている。

Vol.50  イタリアの女神の椅子に願いをこめて_d0166936_18284858.jpg





全面に施された象嵌細工、背柱や脚はねじれたデザイン。
ツイストのデザインはよく見かけるが、ここまで凝ったものは見たことがない。

サンピエトロ大聖堂のベルニーニ作、ブロンズの大天蓋を思い出す。




おなじツイストの柱をもつ、ワットノットを隣において、イタリアの想い出を飾るギャラリーを仕立ててみた。



ヴェネチアのレースガラスの花瓶
コロッセオ、サンピエトロ大聖堂、ピサの斜塔のミニチュア
蚤の市で買った19世紀の聖書


Vol.50  イタリアの女神の椅子に願いをこめて_d0166936_18284841.jpg
Vol.50  イタリアの女神の椅子に願いをこめて_d0166936_18284887.jpg




眺めていると、陽光の下のイタリアが鮮やかに蘇る。




いつかまた、きっと行こう。

Vol.50  イタリアの女神の椅子に願いをこめて_d0166936_18284817.jpg


それまでは、本をゆっくりと読みながら、イタリアが積み重ねてきた歴史を味わおう。
イタリアの想い出の品々とこの椅子を愛でながら。



Vol.50  イタリアの女神の椅子に願いをこめて_d0166936_18284780.jpg



# by pancada | 2020-06-04 10:04 | Antique Styling
Antique Stylingのご紹介
アンティーク家具をそれに関わる人々のストーリーを
Antique Styling (アンティーク・スタイリング)としてご紹介致しております。

Antique Stylingのご紹介_d0166936_17494418.jpg


世紀を超えたアンティーク家具たちの存在感は
言葉では言い表せないほどのものですが、
古い本物の持つ存在感と温かみで、不思議なほど
廻りのインテリアに驚くほどよく馴染みます。

毎回ストーリー仕立てで、アンティーク家具と
それにかかわる人たちの想いを綴っていくシリーズ。

日々の暮らしにアンティーク家具を。
毎日の積み重ねがいつのまにか歴史になる、そんな実感に触れてみてください。
# by pancada | 2015-12-04 09:01 | Antique Styling
Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~
読書が好きだ。

インターネットでの情報収集はもちろんするけれども、
文字を追うことの悦びを感じるのは、やはり書物から。

Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~_d0166936_1610951.jpg



書店でであった、美しい装丁の本。

「あ、モリスのファブリック」
・・・と思って手に取れば、それはモリスの手によるファンタジー小説だった。

Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~_d0166936_1610760.jpg



オリジナルの初版の発売は1896年。
即決で購入した。

読む場所はもう決まっている。

Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~_d0166936_1610977.jpg



実は、モリスをよく知っていたのは訳がある。

つい最近、英国のアンティークチェアを手に入れた。

見惚れるほど優雅な姿の、ゆったりとしたチェア。
その姿をより際立たせるように張られたファブリックがモリスのものだった。

そして、合わせて購入したフットスツールのファブリックが偶然にも、やはりモリス。

Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~_d0166936_1610786.jpg



なんとなく、しか知らなかったウィリアム・モリスという19世紀イングランドの人物が
妙に身近に感じられて、情報収集をはじめた矢先の、書店での出会いだった。


アールヌーヴォーのランプがつくりだす柔らかな光のドームのなか、
モリスのセットを配してお気に入りの読書スペースをつくったばかりだったのだ。

Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~_d0166936_1610855.jpg



さあ、本を広げよう。

Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~_d0166936_16135492.jpg



この世の果てにあるという神秘の泉をもとめて旅立つ王子と
100年以上の時間と数千キロの距離を隔てながら、同行する旅に出よう。


モリスのファブリックに囲まれて。
古艶の輝くウォールナットに支えられて。

Vol.49 世界の果ての泉~ナーシングチェア・フットスツール~_d0166936_1610850.jpg


お愉しみは、これからだ。
# by pancada | 2015-12-04 09:00 | Antique Styling
Vol.48 午後のセレナーデ ~ローズウッドミュージックキャビネット~
家のリフォームをきっかけに
午後の陽が入る小さな空間を手に入れた。


私の趣味はマンドリン。
イタリア・ルネサンスの頃から愛されてきたロマンティックな楽器。
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マンドリンと向き合う、私だけの場所に、
どうしても置きたかったのが
英国ヴィクトリアンのミュージックキャビネット
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名前からして優雅なこの小さな家具は
楽譜を入れるために仕立てられたもの。

楽譜のためだけに、こんな素敵な家具を造ってしまうなんて!
・・・当時の英国はなんて贅沢だったんだろう。


こぶりなサイズながらも、その存在感に圧倒される。

シンプルなようで実は細部へのこだわりが素晴らしいフォルムと、
まるで絵のような象嵌細工、
そして自然が造り上げた芸術であるローズウッドの深い杢目。
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意外に広い内部は、仕上げもきれいで本当に楽譜の収納に便利。
細い棚には楽譜を、広い部分にはコレクションのオルゴールを仕舞おう。
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合わせたのは同じくローズウッドのキドニーテーブル

キドニー・・・腎臓なんて、おかしな名前だけど
この形は、不思議と使いやすい。
Vol.48 午後のセレナーデ ~ローズウッドミュージックキャビネット~_d0166936_1637261.jpg


陽に透けるメタルワークが軽やかな
アンティークのブックスタンドに楽譜を立てて。
Vol.48 午後のセレナーデ ~ローズウッドミュージックキャビネット~_d0166936_1637286.jpg



長く陽が差し込む午後は
私とマンドリンの時間。


今日は庭木の葉影がやがて宵闇に変わるまで
セレナーデを爪弾こう。

Vol.48 午後のセレナーデ ~ローズウッドミュージックキャビネット~_d0166936_163713.jpg


美しい音楽の結晶のような家具に囲まれながら。
# by pancada | 2015-01-20 16:38 | Antique Styling
Vol.47 英国紳士のこだわり~エスクリトワール&サロンアームチェア

ひとつの変わった家具に出逢った。
Vol.47 英国紳士のこだわり~エスクリトワール&サロンアームチェア_d0166936_15404163.jpg

100年以上前の英国アンティーク。

まず、フォルムが美しい。
そして次に、何のためのものだろう、と不思議に思った。

「エスクリトワールという書き物机です。
両側から使えるし、キャスター付きで移動も容易なので、
パーティのレセプションデスクとして使っていたのかもしれません。」
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アンティークショップのそんな説明に納得しつつも、
この変わった家具を自分なりに使いこなしたくなった。
Vol.47 英国紳士のこだわり~エスクリトワール&サロンアームチェア_d0166936_1540396.jpg

実は、自宅の広いリビングに、ちょっとひとりで
集中できる場所がほしいと、ずっと思っていた。

このエスクリトワールならば、
まるでパーティションのように作業する手元を隠してくれる。
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そして反対側は最高級の古艶をもつマホガニーのパネル。

小さなシェルフとマガジンラックまでついていて、
傍らにゆったりとしたアームチェアを置けば
まるで豪華列車オリエンタルエクスプレスのワンコーナーのようだ。
Vol.47 英国紳士のこだわり~エスクリトワール&サロンアームチェア_d0166936_15404156.jpg


100年前に作られたちょっと特殊な家具を今こうして使いこなしてみると
無垢マホガニーのくせに精度の高いシェルフを開け閉めする度に
恐ろしく深い杢目をもつ側面をうっとりしながら磨く度に
にじみでてくるある感情に気付く。
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それは100年前の英国紳士と、私と、そしてこの家具との不思議な連帯感。

「わかる奴にはわかるんだ」。

本物だからこそ受け継がれていく想いとこだわり。

ヨーロッパ文化の片鱗が自分の中にすとん、と落ちて
じわりと溶け込んでいくのが感じられた瞬間だった。

今夜もこの家具の傍らで本を読む。
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エスクリトワールの向こう側、100年の壁の向こう側では
ネクタイを締めた紳士がウィスキーを傾けている気配がしている。
# by pancada | 2014-10-10 15:46 | Antique Styling